こんにちは。terico.です。
先日、7年前に別れた21歳年上の元カレのお見舞いに行ってきました。
というのも元カレさん、2ヶ月ほど前に突如として下半身不随になりまして
(おそらくヘルニアが原因)
それからなぜか元カノの私が甲斐甲斐しくも週に一度見舞っているわけです。
と言っても、元カレになにか未練があるとかそういうものではなく、
なぜか別れた7年前から、私はこの人の葬式には出るんだろうな
(つまり一生付き合いがあるであろうの意)という確信があって。
なので今回も、下半身不随だなんて大ごとなら、
迷う余地もなく面倒をみに行かねばという感覚でした。
で、彼の凄いところがですね、
毎週甲斐甲斐しく見舞っているのは、
元カノの私、元嫁さん、そして今カノという、3人もいるというところ。
決して浮気者とかじゃないんですよ。
それどころか、とても誠実にお付き合いをされる方だからこそ、
男女の関係が切れたとて、この人のためなら動こうとみんな思ってるわけですね。
……まぁ、単純に放置したらやべーんじゃねーかってくらいの
多動で抜けてる人ってのもあるんですけど。
前置きが長くなりましたが、そんなほっとけない男、
仮にトムさんとしましょう。元カレ元カレってなんか響きが鬱陶しいので。
トムさん、歴30年以上のサーファーなんですけど、
実は6月にサーフィン仲間10人近くとはじめてのハワイに行く予定でした。
なのに、5月に下半身不随という災難に見舞われたんです。
当然、ハワイは行けなくなってしまったのだろうと思い、
その件には触れぬよう、気分が少しでも晴れるようバカ話ばかりしていたのですが、
先日、おもむろに話し出したトムさんの口から、とんでもない発言が飛び出しました。
トムさん : 俺、ハワイで挙式したんだ
正直、下半身不随というショッキング過ぎる出来事と、
2ヶ月以上の入院生活で、なんか頭にわいちゃったのかなと思いましたわ。
もしくは今どき少女マンガでも見かけない夢オチってやつか?と。
したら、違ったの。トムさんマジでハワイ挙式してきたらしい。
事のあらましを説明すると、
トムさん本人はハワイなんて行けるわけないと思って
キャンセルの連絡を友人にしていたらしいんですよね。
で、じゃあ私も行かない。と、彼女も一緒にキャンセルしたと。
で、6月の最終週、前々から1週間の一時退院が決まっていたんだけど、
久々の自宅に帰るやいなや、大きな荷物を抱えた彼女にタクシーに乗せられ、
あっという間にハワイまで連れていかれた……と。
ここまででも衝撃的なのに、
ハワイに到着したら今度はその足でチャペルへ搬送され、
白のタキシードに着替えさせられ、式場のドアを開けたらそこには
正装したサーフィン仲間達が待っていた……と。
なんすかそのクソハッピー100%の話!?!?
口が悪くてすみません。けど、そう言いたくもなるドラマのような展開。
ハワイの抜けるような青空とクリアな太陽の下、青々とした芝生の上で、
車椅子姿ながら似合わぬ真っ白なタキシードに身を包んだ、
松崎しげるもびっくりなくらい日焼けした還暦間近のサーファーおやじ。
その隣にはまだ三十代の、笑顔が豪快で、いかにもカラッとしていそうな美しい花嫁……。
写真見せてもらったら、幸せって絵にかけるんだって思うような光景でした。
語彙力が貧困で申し訳ないが本当にキラキラしてた。
神父さんの「病める時も健やかなる時も…」の台詞で、
トムさんは自分の動かない脚をたたいて泣いたそうです。
でも、あなた紛れもなく幸せよ。
同じ泣いて叩くでも、普通はそれ病室でやるんだもの。
絶対に絶対に幸せにしないといけない大切な人を、こんなに分かりやすく見つけたじゃない。
幸せのおすそ分けって本当にあるんだなぁと噛み締めて、
心の底からおめでとうと喜べることに感謝が湧きました。
7年前にお別れした時、関係を切ってしまっていたら、
トムさんとのこの時間が無かったし、トムさんのこんなに幸せな姿も見られなかった。
顔を見られる距離にいてくれる。それだけで感謝。
ほくほくな気持ちで、また来るね。と、病室を出ました。
この時までは、私の心に陰りは無かった。
そう、この時までは…!
未練は無いし、トムさんの幸せを本当に嬉しく思ってる。
もちろん、今の奥様にだって何のわだかまりも無い。
むしろ向こうが会ってくれるなら会いたいくらい。
だけど、私、元カノだもの。
元カレが幸せ100%な結婚をした。
……で、私はどうなんだ?と考えが及ばないわけがない!
ましてや今私のスペックは、
36歳・バツイチ・子なし・彼氏なし・酒飲み・フリーターとの見分けつかない……。
一体何が私の頭の中を巡ったのか、解説はまた次回。