そんな時は、自分の心の状態を観察するチャンスです!
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他人の言動にイライラする裏にある【自分ルール】
怒っている時って基本は、相手や状況など外側の何かを責めている時ですよね。
その根底には「こうであるべきなのに目の前の現実がそうなっていない」という自分の考え方が眠っているわけです。
ということは、怒りの原因の多くは「◯◯せねば」「◯◯べき」「絶対◯◯」という自分ルールが元になっていることが多く、
よく怒る人というのは、自分の中のルールや世の中のマナーなどをしっかりと守る真面目な人という見方もできるわけです。
人間誰だって、何の縛りもなく勝手気ままに生きられたらそれが一番楽そうです。
だけど自分はルールやマナーを守っている。
その自分ががんばって守っているルールを、周囲の人が軽やかに破っていたら、それはおかしい!と怒りの感情が湧いてきても仕方ないのかもしれません。
電車内のマナーに見るイライラで得する人、損する人
分かりやすいのが電車の中。
個々人のパーソナルスペースがもれなく侵害される満員電車は何も起きなくたってイライラMAXです。
つまり、いつも以上に自分ルール違反者が目につくという事。
例えば電車内でのメイク。世の中的に、マナー違反ではありますよね。
揺れた時にマスカラが隣の人についたらどうすんの?ファンデーションの粉って飛ぶじゃん!とか、そういう物理的な心配もありますが、
大半の人がイラつく根本理由は「そんな姿を晒すなんて女性としてみっともない」という心理的な理由の方でしょう。
見ているだけで不快だよ!という声はとてもわかります。
ただこれって、放っておけば誰が一番損をするのか冷静に考えてみると、大損をするのは紛れもなく本人な訳です。
電車内のみんなから「みっともない女性」と見られるわけで……私なら嫌です。
けれどきっと、その彼女は誰からみっともないと思われても気にしないか、気づかない人なのでしょう。
そんな人に密かにあなたはイラついている。けれど彼女は気にしない。
人間脳みそ使うだけでエネルギー消費しますからね。
放っておいてもその彼女は大損をするのに、イライラで無駄なエネルギーを食ってしまっているのは、実はあなたの方だったりするわけです。
悔しいけれどこれが現実。
イライラの奥に潜んでいるあなたの深層心理
で、ですね、そんな風に無駄にエネルギーを使ってしまう自分は、一体何をしたいのでしょう?
その人のせいでエネルギーを奪われているのでしょうか?本当に?
目をそらせばもう気にならないかもしれないのに、イライラしながらチラチラ見てしまうのはなぜ?
その奥の心理には、やはり自分が自分自身に強く禁止している何かがあったりします。
毎日疲れて家に帰って、朝もできればギリギリまで寝ていたい。
だけどメイクは社会人として最低限のマナーだ(と思っている)から、なんとしてでもメイクの時間はきちんと取って、ちゃんと間に合うように家を出る。
なのに…あの人は車内の時間を有効活用してメイクを済ませるなんて…。
なんだか「みっともない」以上の感情が潜んでいそうじゃないですか?
ここで言いたいのは、おおらかに行こうよとか、常識やマナーなんてそんなもんだよという事ではないです。
あなたは、それを守らなければと思っている。
そして相手はそれを破っている。だから、腹がたつ。という構造の話です。
イライラの原因の多くは【自分に無理させすぎ】
短気さんの多くは「ちゃんと」しなきゃとか「良い自分でいたい」とか「みっともないのは嫌」という気持ちが強い場合が多いです。
それは平たく言うと、「大人」や「いい人」、「できた人」でなければ。という気持ちです。
もし自分が小さな子供ならもっと自由にできるのに、もう大人なんだからと禁止事項にまみれている状態。
そうなると、同じ大人のはずなのに勝手放題な相手にも、同じ禁止事項を求め出します。
(相手が子供の場合でも求めたくなるかもしれません)
しっかりした「大人」として立脚するのは基本的には良いことだとは思います。
けれど、何事にも度合いがあります。
自分に似合わない禁止事項を大量に守り続けることで、人にも厳しくなるし、自分もイラつくし…それで短気さんになってしまって生きづらいなんて本末転倒です。
そのルール一体誰のためのもの?という話。
大人でいなきゃ!が強い人は【大人ぶりっ子】
ただ、よく考えてもみてください。「ちゃんとした大人」なんて幻想です。この世に存在しません。
みんな実はこっそり自分の中で守るルールと守らないルールを決めて、ちょこちょこズルしているんです。
あなただって、赤信号でも車が来ないからって渡ったこと、ありますよね?(笑)
何が言いたいかというと、幻想の大人になろうともがいて辛くなるくらいなら、大人ぶりっ子はやめましょう。という事です。
自分自身に禁止事項を定めないとしないと守れないという事は、本当は褒めらた大人じゃないと自分ではわかっているわけです。
それなのに「大人なんだから!」「社会人なんだから!」と理想の自分像を演じ続けるのは、ちゃんとした大人ではなくただの大人ぶりっ子です。
どうしてもいい顔してしまう!という人にはこちらの記事もおすすめ。
【大人ぶりっ子】をやめて人にも自分にも優しくなる方法
いわゆるぶりっ子が嫌われるように、大人ぶりっ子という存在もはたから見るとなかなか厄介です。
両者に共通する不快感は何かと言うと、自分をよく見せるために偽っている。しかもそれが外側から見てバレている。ということ。
さらにイライラMAXな大人ぶりっ子が厄介なのは、自分も我慢しているんだからあなたも我慢しなさいよ!という押し付けが入り混じること。
そんな怒れる大人ぶりっ子をやめるために必要なことはただ一つ。
自分を縛り付けている自分ルールを緩めてあげましょう。ということです。
あなたが完璧でないことは、もうバレているのです。(笑)
それならいっそのことダメなところはさらけ出して、ちゃんとしていない自分にもOKを出せる状態を作ることが大切です。
例えば世の中の意見を10段階に分けたとしたら、白が1・黒が1・残りの8はグレーです。
短気さんの多くはこのグレーを許容することが苦手ですが、だからといって8割のグレーを拒絶していても、圧倒的少数なのは自分ですから。生き辛いだけ。
自分の中にも本当はグレーな部分があるはずなのに、それはダメと禁止していませんか?
大人になったって人間も動物。嫌なものは嫌、やりたくないことはやりたくないと思っても良いんです。
我慢をやめると他人へのイライラも減っていく
短気さんやイライラさんは往々にして、出てきた怒りの抑え方や、それをうまく人に伝えるコミュニケーションを何とか改善しようとしがちです。
もちろんそれらも大切なことなのですが、イライラそのものが改善するための根本的な解決には至りません。
これは本当に不思議なのですが、怒ることを抑止しようと頑張るよりも、怒りたいときに怒って、やりたくないことをやめてもいいと許可を出す方が、怒りそのものは消滅していきます。
自分の余裕のなさは、人への優しさの欠如という形で表面化していきます。
人に対してイライラしてしまうときは、自分が追い詰められている証拠。
ぜひ自分を甘やかしてあげるタイミングと捉えて、自分は一体どんな厳しい【自分ルール】を抱えているのか、観察してみてくださいね。